車いすの正しい選び方

1.「座る」ことの大切さを見直しましょう

●「座る」とはどういうこと?

「座る」とは、腹筋と背筋できちんとバランスをとり、姿勢を保持した状態。すなわち、私たちがいすに座った姿勢=「端座位」をいいます。

●「座る」ことの身体への効用

一般的に「座る」ことには、次の効果があるといわれています。

1.
覚醒中枢である脳幹網様体の刺激⇒脳の活発化⇒ボケないための大切な要素

2.
寝たきりの失禁対策は「起こすこと」⇒排泄が自立できなくなって痴呆がすすむ

3.
事動作の自立促進(口唇〜喉頭までを水平に)⇒肺炎の7割を占める 「誤えん性肺炎」の予防 ※特に呼吸機能がおちている場合に食塊の残りが肺に入って炎症を起こす

4.
1日3回、各1時間「座る」⇒じょくそう予防・治療(寝て当たるところは座ると当たらない可能性が高い)

5.
定期的に座ることで、血液の循環がよくなる⇒正常な血圧・脈拍
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きちんと「座る」ことが、自立促進につながります。

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2.高齢者向けの「車いす」の現状

●高齢者向け「車いす」の殆どが「標準型」

「車いす」で、特に高齢者向けに多いのが「標準型車いす」。1台1サイズなので、使う方が車いすのサイズに合わせているのが現状。
そのため本来、ADLを維持・改善し自立を促進するためや、QOLの面からより楽に食事をとったり移動の自由を確保したりするための「車いす」が、かえってさまざまな悪影響を及ぼしている場合があります。

●「標準型車いす」の特長と影響

1.座幅40cm・座奥行40cmが標準サイズ
これは、身長170cm位の方に合うサイズ。一般の人には座幅が広すぎ、座奥行が長すぎる。⇒「すべり座り」「斜め座り」になる。

2.1枚布のスリングシート
半分に折りたためるためだけの理由から使用されている。屋外のキャンプぐらいにしか使われない。⇒「座り心地が悪い」「座位が不安定」「脊柱の側湾曲」

3.アームレスト(ひじ置き)の高さが一定
⇒「肩がこる」「首が緊張する」

4.アームレストの跳ね上げができない
⇒「移乗・介助がしにくい」

5.足を後方に落とさないようレッグレストが固定
⇒「移乗・介助がしにくい」

6.座高が高い
⇒「床に足が届かない」「乗り降りが不安定」

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移乗がしやすく、「きちんとした姿勢で座る」ことのできる高齢者用の「車いす」は少ない。

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3.良い「車いす」に求められる3つの機能

1.座る(姿勢保持機能)

残存能力を最大限に活かしながら、座位姿勢を保持でき、長時間座っていても疲れない機能。

(この機能に求められる条件)
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2.移乗機能

車いすからさまざまな所に乗り移り、また車いすに戻る
動作がスムーズにできる機能。

(この機能に求められる条件)
3.移動機能

前に進む、方向を変えるなどの動作がスムーズにできる機能。

(この機能に求められる条件)

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4.体に合わない車いすを使い続けると・・・

本来、自立促進につながる車いすが、かえって体や生活にさまざまな悪影響を及ぼす場合があります。

座る能力が低下しているご高齢の方が「体に合わない車いす」を使い続けると、座り心地が良くないだけでなく、背中の曲がり、背や腰、首の痛み、じょくそうの発生や内臓障害につながることもあります。

●すべり座り

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座り心地の低下、じょくそうの発生、そして車いすからの転落が起こります。

背中が丸くなり、背や腰、首が痛くなります。

股関節が曲がらなくなり、背を起こしにくくなって介助者の負担を増大させます。

膝がだんだん曲がってしまいます。


●斜め座り

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背中が曲がって、背や腰が痛くなります。(関節の拘縮・肩こり)

・常に腕で身体を支えるため食事や車いすの操作に影響します。

偏った体重がかかり、座り心地が悪くなり、じょくそうの原因にもなります。


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