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住まい改善の効果は?住環境改善の効果とは?
1.生活の質に多くの効果をもたらす住環境の改善

〜住宅改修と福祉用具を上手に組み合わせよう〜
相良 二朗
相良二朗
プロフィール


1本の手すりで支えるか?家族が支えるか?



住環境の改善ときくと、大掛かりな工事をイメージする方が多いと思いますが、たった1本の手すりを取り付ける簡単な住環境の改善で、一人で「できなかったこと」が「できる」ようになることがあるんです。

例えば、片半身まひの方は座ると、まひ側に傾いてしまいがちです。その場合、誰かに身体を支えてもらうか、もしくは手すりを握って自分で姿勢を支えるかの選択ができます。特にトイレなどプライバシーを守りたいところでは、ご家族の手を借りずに、自分でできるようにしたいという意思はご本人様も強いはず。1本の手すりをつける工夫で、一人で「できる」ことが増えるのです。



自立困難を解決する4つの手段



そんな個別の行為における困難をどう解決するか。次の4つの選択肢があります。

1.

本人の能力

例えば片半身まひの方の場合、まひした側で壁にもたれて、健側(まひしていない側)でドアを開けるなど。少しの工夫で自立度を高める方法

2.

介助者の援助

ご家族やヘルパーなどの助けを借りて解決する方法

3.

道具を使う

例えばドアノブが握れないなら、レバー式に変えるなど対象物を変えて解決する方法


4.

住宅を改修する

前項の話のように、手すりをつけたら、トイレが一人でできるようになったなど


ご家族の負担軽減のためにも、4つの解決法をバランスよく組み合わせて、トータルでご本人様の自立度を高める方法を探りましょう。


グラフ


介護サービスを量的・質的に変化させる住環境の改善



前項,の福祉用具や住宅の改修といった住環境の改善にはある程度のまとまった費用が必要です。しかし、それがうまくできると介護サービスが量的にも質的にも変化します。人的サービスの量は、利用する度に必要となり、在宅生活を続けていくと住環境改善の費用を上回ることになります。

下の表をご覧ください。これは、私が委員会の委員長としてかかわった「介護保険制度における住宅改修と福祉用具の活用の推進に向けた調査研究報告書」から抜粋したものです。介護サービスの費用が、住宅改修や福祉用具による住環境の改善で低減されることが分かります。



住環境改善費用と改善前・後の介護サービス費の比較
要介護2の方の場合



しかし住環境の改善は、金銭的な効果だけではありません。トイレでの排泄ができるようになったり、浴室での入浴ができるようになったり、外出が負担なくできるようになったりといった、生活の質にも変化を与えるのです。

身体の状態やお住まいの状況に配慮しつつ実施する住宅改修と福祉用具の利用は、ADL(日常生活動作)の改善と生活利便性の向上だけでなく、家族の介助負担の軽減、介護サービス費用の低減にも大きな効果があるといえます。一時的に費用の負担が大きく感じられる住環境改善ですが、トータルで考えると、ご本人様にも、ご家族にもメリットの方が大きいといえるでしょう。



個別の行為を研究して解決策を検討



住宅改修や福祉用具を効果的に取り入れるために、頭に入れておきたいのが、個別の行為ごとのどこにどのような困難があるのかを、細かく分析することです。

「排泄が困難」というケースに対して、「一部介助」と判断し、例えば昇降便座を組み入れたとします。これで、住宅改修のプラン作成は終わったつもりになっていませんか? 個別の行為ごとに考えてみるとこうなります。

1.扉を開ける 2.電気をつける 3.扉を閉める 4.ズボンをおろす 5.便座に座る・・・「排泄」行為に辿りつくまでに、5つの行為が行われるわけです。そういった1つ1つの動きごとの困難をどんな手段で解決するかを探ることが、満足いただけるプランの第1歩といえるでしょう。