自宅で介護、どうする? 初めての方の在宅介護心得
「福祉用具」の活用で日常生活をスムーズに

 年齢を重ねるということは、心身の機能が低下していくことでもあります。介護が必要な状態でなくても、聴力や視力が衰えることは、ごく自然な現象です。そんな機能低下を補うための便利グッズは多種、販売されています。上手に選択することで、生活はグッと快適になります。

[行動1]どんなグッズがあるか調べる

 福祉用具や便利なグッズは、普段見かけないモノです。まず、どんな商品があるか調べてみましょう。情報収集に便利なのは、都道府県にある福祉機器センターや、地域の介護ショップ。インターネットでも調べることができます。

 障害をカバーする便利商品の例
  手先の不自由を補う道具・・・  
    握りやすいように形を変えられるスプーンやフォーク、歯ブラシ。使いやすいカンやビン開け、爪切り。操作しやすいドアの取っ手や水道の蛇口などは便利です。  
   
自在に曲げられる
スプーン・フォーク
  キャップ・蓋開け器   マジックハンド
 
  歩行の不自由を補う道具・・・  
    車椅子にしても電動のものや浴室で使えるものなどいろいろなタイプがあります。手押しのショッピングカーや杖は、ハイセンスなお洒落なものや携帯に便利な折り畳みタイプもあります。  
  耳の不自由を補う道具・・・  
    電話の音量を20倍近くに上げられる商品や、テレビの音をその人だけが大きく聞ける商品は便利です。補聴器も性能の高いものが各種用意されています。  

[行動2]本人に合う商品を選ぶ

 福祉関連の用品は、障害の程度や生活形態によって、合う合わないの個人差が大きいことを承知してください。もし可能であれば、本人がショールームなどで試してから購入するのが理想です。それが難しい場合、病院のケースワーカーや、ケアマネジャーなどに相談しましょう。在宅介護支援センターや保健所でも相談に乗ってくれます。
どの商品がぴったり合うかを確認したら、地域の介護ショップやデパートで購入するのもいいですし、インターネット販売を利用するのも便利です。

役立つ相談窓口
福祉用具の貸与や購入費の支給は、介護保険のサービスのひとつです。車いすやベッド、ポータブルトイレなども対象になっています。ケアマネジャーとよく相談して、かしこく利用したいものです。
杖を持てば安心して歩けるのに、と子は親の様子を見ながら思うことがあるかもしれません。だからと言って、無理強いして持たせようとすることは、控えてください。「自分はまだまだ元気で自立してる」と思っている親だと、プライドを傷つけてしまうかもしれません。うまく勧めたいものです。

[行動3]福祉関連以外の商品にも目を向ける

 年老いた親に便利な商品は、福祉関連商品だけでなく、一般商品のなかにもあります。親の暮らしを見ながら、「何があれば、もっと快適になるかしら」と考えてみてください。

 高齢の親に便利な一般商品例
  ファックスは、親子が別居している場合、便利に使えます。大切な用件は、言葉だけだと、聞き漏らすこともあるので、箇条書きにして送信しておくと安心です。メールと送受信できる商品もあり、子はパソコン、親はファックスを使うこともできます。  
  テレビ電話や携帯電話は、コミュニケーションツールのひとつとして役立つ場合もあります。  
  キッチンのガスコンロを電磁調理器に交換する人が増えています。火が出ないと安心ですし、平らなので、掃除も楽です。  



体験談
 Cさんの父親(80代)は、足が不自由です。Cさんは何度も杖を持つことを勧めましたが、父親はまるで耳を貸しません。
 そこでCさんは一計を案じ、ある時、杖を「お土産」として父親に渡しました。父親は礼を言うでもなし、突き返すでもなし・・・。しかし、いつしか父親は散歩のときにその杖を持つようになったそうです。「母に聞いたんですが、父は『意外と便利だ』と、独り言を言っていたんですって」と、作戦が成功し、満足そうなCさんでした。


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