自宅で介護、どうする? 初めての方の在宅介護心得
介護貧乏にならない上手なお金のやりくり

 介護にはある程度の出費が伴います。介護保険でのサービスを利用するにしても、利用者は1割を自己負担しなければなりません。親が入院していたり、別居していたりする場合は、度々通っていくための交通費もかかります。それでなくても、親の介護が必要となる頃、子世代は住宅ローンや教育費でたいへんな時です。少しでも介護による負担を軽減するために工夫しましょう。

[行動1]金銭負担を親・兄弟姉妹と分担する

 特に、長男長女は、親の介護は自分の役目だと肩に力を入れがちです。かかるお金も全て自分が用意する、と考えるケースもあるようですが、介護にかかる費用は、事前に推定できないことがほとんどです。
 ひとりで背負い込むと息切れします。親が裕福であれば、親のお金を使うことも一案ですし、兄弟姉妹とも負担を分担すべきでしょう。親が子の交通費を負担するケースでは、親は子への遠慮が軽減し、気持ちが楽になるという話もよく耳にします。

[行動2]お得な民間サービスを賢く利用

 別居の場合、親元へ通うための交通費はばかになりません。各交通機関、さまざまなお得なチケットを販売しているので、賢く選択しましょう。情報は、それぞれの交通機関のホームページに詳細が掲載されています。
 電話料金も、各社競争が激しくなり、さまざまな価格設定がされています。利用頻度が高い場合は、比較研究して利用するといいでしょう。

 介護帰省パスも登場
   日本エアシステムが実施する割引に、「介護帰省割引」があります。介護保険で「要支援」「要介護」と認定を受けた親を介護するためにその子が帰省する場合、普通運賃より約37%割引かれます。  

[行動3]公的な制度を見逃さない

 制度のなかには、知っていると節約できたり、助成を受けられたりするものもあります。が、それらの多くは、自分で調べて申請しなければなりません。
 ぜひ知っておきたい制度をご紹介します。

 知っていると得する制度エトセトラ
  扶養控除・・・同居に限らず、別居しているケースでも親の収入がわずかで、仕送りを行っているのであれば、所得税の扶養控除が認められる場合があります。  
  医療費控除・・・扶養控除が認められたケースでは、子が支払ったのであれば親が使った医療費についても、医療費控除が認められます。  
  健康保険料・・・同居に限らず、別居しているケースでも親が60歳以上で年収が180万円未満の場合、親を実子の加入する健康保険の被扶養者にできます。  
  身体障害者手帳・・・身体の特定部位に永続的な障害がある場合、障害の程度により1級から6級の手帳の交付を受けます。医師から教えてくれないこともあるので、こちらから聞いてみましょう。交付を受けると、いろいろな社会福祉サービスや税の控除を受けられるケースがあります。痴呆の場合でも「精神障害」と診断されると、税の控除や医療費の助成を受けられる場合もあります。  

役立つ相談窓口
人によっては、「身体障害者」「精神障害者」という言葉の響きに、強い抵抗を感じるケースもあります。認定を受けることを勧める場合は親を傷つけないように、十分な配慮が必要です。

[行動4]新しい制度の知識も仕入れておく

 普段あまり耳にしない制度のなかにも、頭の片隅に入れておくと、いつか役立つかもしれないものもあります。

 介護に役立つ新しい金融制度
  介護費用ローン

銀行のなかには、要介護者の家族向けにローンを用意しているところがあります。大きな額になると、要介護者である親の土地を担保にし、介護の費用を融資します。
 
  リバース・モーゲージ

一人暮らしの高齢者に対し、その所有している土地、不動産を担保に、生活費を毎月一定額融資し、亡くなった後に、担保物件を処分することにより一括返済する仕組み。資産はあっても、所得が少ない高齢者にとって、役立つシステムです。一部の自治体が実施しています。
 

役立つ相談窓口
ローンは子に返済能力が問われるわけですが、リバースモーゲージでは、親の死後に担保物件を売り清算するため、子の返済能力は問われません。住み慣れた家で老後を安心して暮らせるすばらしい制度ですが、土地の価値が見えにくい今の時代、利用するためには厳しい条件が伴うのが現状です。


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