自宅で介護、どうする? 初めての方の在宅介護心得
遠距離でもできる在宅介護

 故郷ははるか彼方・・・、と地図を眺めながらため息をついていませんか。たまに帰省し、親の老いを目のあたりにすると、もし介護が始まったらどうなるの? と、途方に暮れることもあるでしょう。
 でも、郷里から遠く離れて暮らしているのは、珍しいことではありません。地図上の距離は遠くても、心の距離を近く保つことは可能です。遠距離でもできることはあるのです。遠距離介護を成功させるための、3つのポイントをご紹介しましす。

[ポイント1]親子、夫婦、兄弟姉妹との話し合いを密にする

 介護とは、自分ひとりで一方的に行うものではありません。主人公は介護を受ける親です。そして、親を囲む者たち。みんなで、話し合い、協力体制を組むことが必要不可欠です。

 話し合っておきたい事柄例
  親には、どこでどんな風にして老後を過ごしたいか尋ねましょう。子の近くか、住み慣れた土地か、など具体的に。  
  介護には出費も伴います。どのように費用を分担するか、みんなで考えておく必要があります。  
  兄弟姉妹で、親元に通っていくスケジュールのローテーションを組む必要がある場合もあります。何かのときに誰が司令塔となるか決めておきましょう。  
  夫婦間では、互いの親が介護を要するようになったら、どのように支えていく心づもりなのかを話し合っておきます。  

[ポイント2]今よりも介護度が上がらないように手を打つ

 在宅での遠距離介護はある程度、親が自立していてこそ、可能なスタイルです。24時間の介護が必要になれば、通うだけでは無理になります。そのためにも、今よりも親の介護度が上がらないようにすることが重要です。何か問題を発見したら、先送りは禁物。即、解決策を考えましょう。

 介護度を上げないために気配りしたいこと
  電話での様子がおかしかったり気にかかることがあれば、様子を見るために、なるべく早い時期に帰省します。急な帰省にも対応できるように、交通機関の予約カウンターの電話番号を控えておきましょう。  
  日常生活が不自由になってると感じたら、ぎりぎりまで我慢せず、早めに福祉サービスを導入しましょう。  
  他人が家に上がらないサービスを利用する  
  火の始末が心配だと思ったら、火災警報器や火の出ない調理器具、暖房器具に交換します。  
  介護保険で住宅改修もできます。転倒予防などのために、必要なところに手すりを備えるなど住宅を住みやすい環境に工夫しましょう。(自治体によって、介護保険とは別に独自のサービスとして住宅改修を実施しているところもあるので問い合わせてみましょう)  

[ポイント3]情報収集をこまめに行う

 一人暮らしの高齢者を支えるためのシステムやグッズは、意外とたくさんあります。「便利だ」、と唸るような商品も。でも、介護関連の商品はあまり広告がされていませんし、情報が行き渡っていないのが現状です。でも、あると無いじゃ大違い。前向きに、積極的に、情報を集めてください。

 役立つ情報源
  情報の宝庫は何と言ってもインターネット。高齢者に役立つ情報の入手が容易。さらに、帰省しなくても商品を購入できたり、相談ができるサイトを活用すれば遠距離介護にはとても役立ちます。  
  都道府県の多くは、介護関連商品を展示するセンターを設けています。専門家のアドバイスも受けられるので、一度のぞいてみましょう。  



体験談
 Bさんの両親(共に80代)は2人暮らしです。父親も母親もずいぶん体が弱ってきています。
 あるとき、Bさんがいつものように電話すると、母親の声の調子が普段と異なりました。気になって尋ねても母親は何も言いません。Bさんは電話を切っても気になって仕方なく、再度電話。母親は観念したように、腕を骨折して、家事ができないことを打ち明けました。Bさんは、すぐに車で向かい、食事の用意を整えました。ボランティアのヘルパーさんの段取りも行いました。「母は、私に心配をかけないように黙っていたんですね」とBさん。けれども、あのままであれば、食べる物も食べず、両親は心身共にますます弱っていたでしょう。


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