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1.ご本人の想いに耳をかたむけよう

ご本人やご家族から「手すりをつけてほしい」と頼まれて、「じゃあ、つけましょう」と安易に答えていませんか。住宅改修はしたけれど、あまり使いこなせていない事例は意外とよくあるものです。たとえば今まで壁の際に手をかけて立ち上がれていたのに、手すりにしたら滑って不安定になり自立を妨げたという例もありました。

本当に自立度を高める住宅改修を目指すなら、立ち止まって「なぜ、そうしなければならないか」をじっくり考えてみることが大切です。この章では、ご本人やご家族と一緒に住宅改修の目的を考えるステップをご紹介してゆきます。


たとえ話せなくても、ご本人の意思を確認して
まずご本人やご家族と一緒に「どんな生活がしたいのか」という暮らしの目標を決めましょう。このときに大切なのが、介護専門家とご家族だけで決めてしまわないということです。よく障害をお持ちの方から聞く声の中に「なぜ、私に聞いてくれないの」という不満があります。自らの想いを伝えて主体的に人と関わることに、人間の生きがいは存在するのです。たとえ言葉が話せない方でも、まずはご本人に伺うこと。聞き取れない場合はご意向はご家族に通訳し てもらえばいいのですから。

次に暮らしの目標を考えます。このとき、できるだけ具体的に考えるようにします。ご本人とご家族に強い現実感を抱いていただくことが、その後の住宅改修を考える過程で大切な要素となります。
例えば○朝、起きたら着替えたい○居間で食事がしたい○お風呂に毎日入りたい

どんなことでもいいのです。環境が変わればできることも最初から「できない」とあきらめていらっしゃる高齢者の方々がなんと多いことでしょうか。人は自分の本心に忠実。自分がしたくないことに、いくら周りが援助したとしても、その方は動きません。要は違う生活が想像できるかどうか。ご本人と一緒に想像力の羽を思いっきり広げてみましょう。

そうして暮らしの目標をご本人やご家族と共有できたら、次は何がその夢を阻んでいるのか、そしてそのためには何を解決してゆけばいいのかを考えてゆきます。大切なのは「住宅に問題があるのでは?」という疑問をいつも持っておくことです。住宅を少し改修しただけで、生活が大きく変化したという事例が多くあります。

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